こんにちは、ゆうきゆうです。
以前、「やって、させて、ほめて」で人を動かす、という事をお話したところ、かなりの反響がありました。
その中でも多かったのが、「うちの上司もこんな風に教えてくれたなら」というお言葉です。
「もうちょっと判りやすく教えて欲しい」
「叱ってばかりで緊張してしまう」
「質問をしても、自分で考えろ、と取り合ってくれない」
「自分の失敗は部下に押し付け、部下の成功は自分の手柄にするから
だんだん仕事への意欲がなくなってきた」
お気持ちとってもよくわかります。
うちの上司も、せめて見せて…いえ。
そんな恐れ多い事は考えた事もございません。
そういうわけで、今回のお話は、「上司を動かせ」です。
さて、心理学者、フロイトはこう言っています。
人間のあらゆる行動は、2つの動機から発する――すなわち、性の衝動と、えらくなりたいという願望とがこれである。
つまり、人は誰でも『認められたい』と願っているのです。
ですから、失敗を部下のせいにしたり、居丈高に命令したりする上司は、実は自分をえら
く見せよう、失敗は許されない、と、必死だったりするのだと思われます。
すなわち言い換えれば、それだけプライドが飢えていることの証。
よってまず大切なのは、その人のことを誉めてあげること。
「●●さん、いつもありがとうございます!」「残業ですか? お疲れ様です」というよ
うに、どんなにくだらなくてもいいので、プラスの言葉をかけてあげることが大事です。
それは単に「ありがとう」「嬉しい」という短い言葉だけでも構いません。
それだけで、コミュニケーションも円滑に行き、職場の雰囲気も柔らかくなるはずです。
もう1つ、心理学には「好意の返報性」というものがあります。
一言でいうなら、「人間は相手から与えられたのと同じくらいの好意を返す」という事。
ですから、自分にとって本当に嬉しい思いをさせてもらった時、「相手に同じ好意を返したい」という心理が働くのです。
それではどのようにすれば、もっとも相手に好意を示すことができるのでしょうか?
そのカンタンな方法こそが、「『相手』で始まる言葉」を話すことなのです。
あなたが恋人と久しぶりに会ったとき、「ぼく一人で寂しかった…」と言われるのと、「君に会えなくて寂しかった…」と言われるのでは、明らかに後者方が嬉しいはずです。
ですから、わからないことを聞きに行く時や、OKをもらいに行く時など、頻繁にこの「あなたは」「あなただけに」という単語を使って話し掛けるのです。
「最近工房内の小さな事故が増えているのは、○○さんはなぜだと思われますか?」
という風にです。
「どうやっても上手にこなせないのですが、○○さんはこんな時どうやっているのです
か」
こんな風に言われれば、「認められたい」という気持ちも手伝って、上司は張り切ってくれることでしょう。
また、わからないことを聞きに行く時は、質問の仕方を考えてみてください。
「こちらの設計ですが、A案ですと大きくなりすぎ、B案ですと機能が少なくなってしまいますね。
僕は機能もいいのですが、やはりコンパクト性をとりたいと思うのですけれども。
でも、○○さんはどう思われますか?」 → 2択(または3択、)で聞く
「この材質の特徴がわからないのですが、Aを調べたらいいのでしょうか」
→ イエスかノーで答える
このような質問の仕方を「閉じた質問(クローズド・クエスチョン)といいますが、答えを、2択、3択でまたはイエスかノーかでというように少なくするのです。
このように質問されたなら、相手も返事がしやすいというものです。
しかし、これではまだ不完全です。
もう一歩踏み込みましょう。
質問に答えてもらったなら、心からの感謝と感心を示して見せるのです。
「なるほど、そうとは気がつきませんでした」
「○○さんの言われた通りにしてみたらできました、ありがとうございます。」
そうです。
ここで最初の「ほめる」に戻るのです。
心からの感謝を返してみてください。
ところで、仕事上の上司も教育者ではありません。
もちろん、人を指導するに至って「指導の仕方」を受けたりもしますが、初めから上手な人はいないのも当たり前。
やってみせる、をしてくれない、説いて聞かせる、をしてくれない…。
が、ために何をどうして欲しいのか、よくわからない、というときもあるでしょう。
そのために、わからないままに仕事をして、失敗しては自分が叱られ損です。
「○○さん、先ほど言われた事は、昨年度の売上を100としての数字を出す、
ということで あっているでしょうか?」
という風に指示を受けた時は復唱して、確認を取ってみましょう。
でも、ミスタージャイアンツの 「『ずーっと来たら、ググッと引いて、バン』これだよ」というのは、僕にもどうすれば変わるのか、わかりません。
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イラスト…百福さん