2013年5月6日月曜日

最初か最後? (後編)


それでは、さっそく、最初と最後にダブルの盛り上がりを持ってくるスーパー・クライマックス法の使い方を見ていきましょう。

その方法は、とっても簡単です。
まず、あなたの『最終的な結論』を相手に告げるのです。

「この商品の画期的なところは、原価を半額に抑えたところです」
「俺、君のことをとっても好きだし、付き合いたいと思ってる」

これによって、あなたに対して興味を持っていない相手でもすぐに話に対して引き込まれるはずです。

これで終われば、普通の「アンチ・クライマックス法」。しかしこの方法には、前にもお話したとおり、「最初の結論が相手にとって望ましくない場合、その後の話を聞いてもらえない可能性がある」という短所もあります。

でもこの方法は、少し違います。
最初の言葉の直後に、こう言うのです。
「…ただ、問題があるんです」。

これを実際に言うのなら、こうなるでしょう。
「この商品の画期的なところは、原価を半額に抑えたところです。…ただ、もちろん
そこには問題もあります」
「俺、君のことをとっても好きだし、付き合いたいと思ってる。…でも、今のままじゃ
難しいんだ」

人間は「謎な部分」に強く惹かれます。
さらに不思議なもので、最初の申し出が「あんまり…」と思った相手でも、「難しい」と言われた瞬間に欲しくなるという心理も働きます。「限定!」「売り切れ!」と言われると商品がより欲しくなったりするのと同じですね。

この言葉を言われたほとんどの相手は、その後の話に、強く興味を抱くはずです。
そこであなたは、こう続けます。

プレゼンなら、
「まず根本的な構造から話しましょう」。
口説くときなら、
「とりあえず今日は飲もうよ」。

どちらにせよ、その結論は最後に持っていくのです。
これこそが「クライマックス法」。
相手が興味を抱いているので、それは時間と共に相手の中で強く強く高まっていきます。


もちろん、時間をかけすぎるのも問題です。プレゼンなら30分以内、口説くなら1時間以内が理想でしょう。

そして最後に、その問題の部分を話します。その直前に前置きをしてください。
「問題の、原価の半減の部分なのですが」
「その難しいって言った話なんだけどね」

これによって相手の意識を、「え、ついに…!?」と高めることができます。

そして問題を話します。
その内容は、どんなに些細なことでも構いません。

「実は社内で反対意見も多く出ていまして…」
「俺、あんまり気の利いたこと言えないから、君が悩んだときとか、すぐに解決してあげられないと思う…」

そしてこれを告げた後に、しばらくして、自分で解決策を告げるのです。

「しかし、何とか通しますから」
「でも、頑張る。その気持ちだけは、分かって欲しい…」

ここが重要な部分です。
「相手はすでに問題を解決しようと頑張っている」
→「すなわち、自分がその申し出を認めている」
といった、無意識での決定がされるのです。
これによって相手の気持ちは、あなたの方に大きくひきつけられて行く事でしょう。

まとめると、
1 最初にあなたの結論を告げる (アンチ・クライマックス法)
2 直後に「でも、問題がある」と言う (クライマックス法への布石)
3 結論の前に、普通に話を進めていく
4 前置きをした上で、その「問題」を話す (クライマックス法)
5 そして「解決のために努力する」と言う

これこそが、説得法のさらなる発展!
『クラ』イマックス法 と 『ア』『ンチ』クライマックス法、
そこに『問(モン)』題 と 『努(ド)』力をはさむ事で、

クラ・ア・ンチ・モン・ド。
これらを並べ替えて、スーパーメソッド『アーモンド・クランチ』!

アーモンドと同じように、熱意も小さく分けて、少しずつ。それだけであなたの気持ちは、相手の心に、驚くほど優しく染み渡っていきますよ。

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